トイレの水位が低いと感じたら？原因や自分で直す方法を紹介！

普段よりトイレの水位が低いと感じたら、トラブルの前兆かもしれません。低くなってしまう原因はさまざまで、ひとつではないのです。では、この状態をどのようにして解消させたらよいのでしょうか。

この記事では悩みの解決に向けて、原因や自分で直す方法を紹介していきます。あわせて予防策や、解決できなかった場合の対処法もお伝えします。気になっていたり悩んでいたりする方は、ぜひ参考にしてください。

トイレの水位が低い原因は？

気がついたら水が少なくなっている場合や異音を起こしている場合は、5つの原因が考えられます。まずはどれに当てはまるか、原因を調べていくことが大切です。ここからは、主な原因を解説しますので参考にしてください。

紙や便がつまっている
紙や便がつまってしまっている場合は、通常の水よりも少なく下水の臭いが漂ってきます。トイレットペーパーは水に溶ける性質ですが、大量に流したときには配管の奥でつまってしまうのです。また、便を少ない水で流すことも注意しましょう。

便器が破損している場合
便器の本体が破損していると、水漏れを起こします。そのため、溜まっている封水が減ってしまうのです。また、タンク内の部品が故障している場合でも、封水が減ってしまいます。水漏れがないか、故障している箇所がないかを確認してください。

誘引現象が起きている場合
2階建て以上の建物で起こりやすい現象です。この現象は、大量の排水をおこなったり強風が吹いたりすることで、排水管内の気圧が低下してしまいます。そのため、封水が下水へと引き込まれてしまうことが誘引現象の特徴です。

タンク内の故障
タンク内に設置されているボールタップが故障していると、水が減ってしまいます。タンクに給水する役割を持っているため、故障するとタンクに水が溜まらなくなるのです。便器に流れる水の量が少なくなることで、水位が低くなります。

長期間使用していなかった
封水は長期間使用していないと、徐々に蒸発していきます。そのため、夏の暑い時期には注意が必要です。10日以上家を留守にする場合は、対策をおこなっておきましょう。また、中古物件でも同じ症状が現れるため、購入前には確認してください。

トイレの水位が低い状態を直す方法

水が少なくなっている状態を放置した場合は、悪臭が室内に充満することや、害虫の侵入などのトラブルが発生します。発見した場合は早急に対応しておきたいものです。しかし、直す方法が分からなければ、解決や応急処置はできません。

そこでここからは、水が少なくなってしまっている状態を、どのようにしてなおしていくのかを解説します。原因によって使用するものが異なるため、現在の状況をしっかり確認した上でおこなっていきましょう。

ラバーカップを使う
つまりを解消させるには、ラバーカップがおすすめです。スッポンとも呼ばれるアイテムで、昔から使用されています。使い方のコツは、カップが隠れるくらいまで水を足していくことです。そのあとにゆっくりと押し込み、思い切り引き上げます。

汚れを引っ張り上げるイメージが大切になります。逆の動作をしてしまうと解消されないので注意してください。和式用や洋式用、節水タイプなどの種類もあるため、購入する際は、自宅のトイレに合ったものを購入してください。

真空パイプクリーナーを使う
強力な吸引力を持つ真空パイプクリーナーは、ラバーカップより威力があります。使用方法は同様ですが、汚れが引き上げられない場合はこちらを使用してください。柄の部分がハンドル式になっているため、使い方も簡単です。

体力もあまり使わず、1度で解消されることが多いアイテムです。ホームセンターやネット通販でも手軽に購入できるため、1本準備しておくといいでしょう。汚れを引き出したあとは、再度つまらせないように取り除いておくことが重要です。

お湯を流す
毛細間現象で水位が低くなるのを直す場合は、お湯を使用しましょう。排水管につまっているトイレットペーパーは、お湯によってふやかされていきます。そうすることで、固まっている紙がバラバラになりきれいに流されていくのです。

注意点は熱湯を使わないことです。便器は陶器でできているものが多く、熱湯を流すとヒビが入って割れてしまう可能性があります。お湯の温度には注意してください。高い位置からゆっくりお湯を注いで、1時間放置したらバケツで水を流しましょう。

部品の交換をする
タンク内の部品が故障している場合は、新品と交換してください。止水栓を止めて、タンク内の水をすべて流しておきましょう。次に、手洗い管と補助水管をボールタップから外してください。タンクと止水栓の2箇所のナットを緩め、給水管を外します。

タンクの外側にあるナットを緩めたらボールタップを外し、パッキンを入れた新品と交換していきましょう。交換できたら給水管を戻して、手洗い管や補助水管を取り付けてください。フタをして止水栓を開けたら水を流し、水漏れを確認して完了です。

トイレの水位が低い状態を予防する方法

水の状態が元に戻ったあとには、再発させないように予防することが大切です。どのような予防方法があるのか、ここからしっかり確認しておきましょう。現在症状が出ていなくても、予防をすることでトラブルが回避できるのです。

大量の紙を流さない
大量の紙を一度に流さないことが大切です。いくら水に溶けやすいといっても、大量に流された紙は、流しきれずに途中で詰まってしまいます。小分けにして流すか、紙の量を少量にする対策をしてください。

便器やタンクのメンテナンスをおこなう
定期的な掃除のときに、便器やタンクなどの周辺を確認しておきましょう。本体の故障やヒビ割れは、大きなトラブルを引き起こします。事前にチェックをおこなうことで、早期発見につながるのです。みつけたら早めにメンテナンスをしてください。

封水の蒸発を防ぐ
長期不在にする場合は、封水の蒸発を防ぐ対策をしてください。10日前後であれば封水の量を足しておくだけでも効果があります。バケツで水を注いだら、ラップで密閉してフタをしめてください。数か月家を空ける場合は、蒸発防止剤を使いましょう。

不安な場合はプロに任せる
お湯を使った方法やラバーカップの方法は、自分でもおこなえる作業ですが、部品の交換やヒビ割れのメンテナンスなどは難しい場合もあります。不安であれば業者に依頼することが大切です。プロに任せることで安心が得られます。

トイレの水位が低い状態を直すことができない場合

対策をおこなったのに直すことができなかった場合は、いちど業者へ相談することが大切です。正式に修理や交換の依頼をする前に、注意しておきたい項目があります。ここから解説していきますので参考にしてください。

水道業者へ相談する
正式に依頼をする前に、まずは相談をしておきましょう。現在の状況などを伝え、どのような行動を取れば改善できるのかを確認します。業者が調査をおこない、原因を突き止めてくれる場合もあります。

必ず相見積もりをとる
原因がはっきりしたら、必ず見積もりを取りましょう。複数の業者に同じ条件で見積もりを提示して貰うことで、修理費用の相場も確認できます。納得ができたら正式に依頼することがポイントです。

賃貸では業者を呼ぶ前に契約書の確認を！
賃貸でのトラブルでは、業者を呼ぶ前に契約書を確認しておきましょう。契約書には、修理費用の取り決めが記載されています。また、管理会社か大家さんに契約している業者がないかを確認することも大切です。

まとめ

封水が低いと感じたら、まずは原因を確かめましょう。主な原因は、つまりや破損、タンク内の故障などの5つです。どの状況が当てはまるのかを確認することから始めてください。原因がわかったら、原因別の対処法を試すことが大切です。

簡単にできる対策法から、試すこともおすすめです。無理矢理すると、被害を拡大させたり破損させたりすることも考えられるため、不安に感じたら業者に必ず相談してください。無理をしないことが大切なポイントです。

また改善されたあとは、予防する方法を定期的におこなってください。現在トラブルが起こっていない場合でも、予防をすることでトラブルを回避することができるのです。

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監修者

主任

和田 大輝

《略歴》

水道メンテナンスの第一線で活躍する和田大輝は、公益財団法人給水工事技術振興財団によって認定された給水装置工事主任技術者です。
私は国家資格としての優れたスキルと専門知識を有しており、給水システムにおける高度な技術力を誇ります。
当コラムでは、給水工事における主任技術者の視点から、水回りのトラブル対応のアドバイスや家庭で実践可能な応急対応等にについて解説しています。

保有資格：給水装置主任技術者